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2020/02/24 18:08
日本でも、世界中でも「しつけ」「トレーニング」というものは
様々な議論がされています。
どんな方法があり、そしてどんな方法を選べばいいのか。
よく聞くテーマを何個か取り上げ解説していくので
よかったらまた参考にしてみてくださいね。
「褒め言葉」は有効か
ずばり有効です。
しかし、ひとつ条件があります。
犬には言語がありません。つまり、私たちのように言葉の意味をわかっているわけではないので
「褒め言葉を作る」必要があるわけです。
どうやるのか?
ある褒め言葉(良い子!やイエス!など)が発せられた直後に報酬となる食べ物などと結びつけることで
そこではじめて「褒め言葉」の完成というわけです。(繰り返しが必要)
そして、本気で褒めてあげること。犬は表情やボディーランゲージなどから感情を読み取る天才ですので嘘はすぐにばれますよ!
「叱る」は有効か
では今度は反対に叱るというテーマ。
犬の思考には “善・悪” の概念はなく、“安全か、そうでないか” という原始的な判断基準であること。
悪いこととわかっててやっている...そう思ったことはありませんか?
たしかに叱ると反省しているような仕草を見せますからね。
でも、実はそうではない可能性の方が高いのです。
今このブログを読んでいただいている方にはもしかしたら驚きのニュース?なのかもしれません。
もしかしたら勘違い?
例1)帰宅したら愛犬が部屋をむちゃくちゃに
さて、さきほどの「叱る」は有効か。に関連して、あるケースをあげてみましょう。
飼い主が帰宅し、犬が部屋を荒らしていた、またはおしっこを失敗していたなど
なにか粗相をしていたとしましょう。その時申し訳なさそうにする顔をみたことがありませんか?
さてこれは、過去を遡って反省しているのでしょうか。
答えはノーです。
単に、目の前の飼い主の表情などから感情読み取って、「なんだかわからないけど怒っているから、反省していないと危険だ...」セリフをつけるならばこんなところでしょうか。
時間が経ってから叱っても、完全に無駄といってもいいほど叱る意味はありません。
荒れ果てた部屋をみてもグッとこらえ、無言で淡々と片付けて
なぜそういう行動をとったのかを冷静に考える方が遥かに有効な時間の使い方かも?!
例2)お出かけ時、帰宅後の飼い主の振る舞い
こちらもよくあるシチュエーションです。
お出掛け時「お留守番しててね!頑張るんだよ!大丈夫だからね!待っててね!」
帰宅時「ただいま〜〜!!」「よくお留守番頑張ったね!」「寂しかったでしょ!?」
このように声をかけてあげることで愛犬の不安を少しでも和らげてあげよう..
そう思っている方、少なくないと思います。
実際に私がおすすめしたい、出掛け時・帰宅時の反応は
「関心を寄せないこと」です。
“可哀想!” “声を掛けてあげないと不安なんじゃないの?” そういった声が聞こえてきそうです。
なぜそんな塩対応ともいえる態度をとる必要があるのか。
これは犬も人間も同じですが、不安を感じている時やストレスを感じている時、興奮している時というのはコルチゾールとよばれるストレスホルモンが上昇しています。
その状態で飼い主が帰ってきてただでさえ嬉しくて興奮するのに飼い主がそれを助長してしまっては元も子もありません。
つまり、帰ってきて愛犬が落ち着くまでは何事もないかのように振る舞い
犬が落ち着いたら、“ただいま” “よく頑張ったね”と優しく声をかけてあげるといいですよ。
おやつを使ったトレーニングはだめか?
このトピックもよくネットの記事に載っていますね。
どうにもまだ「おやつを使うのは甘やかしだ」「おやつがないとできなくなるのではないか」という
お声も少なくなりません。
動物の行動や、生物の体の仕組みを理解していくと
食べ物を使って行動を作ったりそれを持続させることはとても効率がいいので、むしろオススメです!
おやつを使う際のポイント
1 細かくしてあげること(または細かくなっているものをチョイス)
2 望ましい行動をとった直後にあげること(おやつで誘導しないこと)
3 おやつを使うのと釣るのは違う
4 行動が定着してきたら少しずつ与える間隔をあけたりあげるタイミングをランダムにする
上記で書いたことは文章では少し伝わりづらい部分がありますが
ぜひ参考にしてみてください。
おわりに
犬と私たち人間の感覚は大きく違うものです。
良かれと思ってやっていたことが実は真逆かも..なんてことも。
犬とはどういう動物なのか
犬に必要なこと、そうでないこと。
犬という生き物は、経験のみで語れるものではない。
客観的に犬を知ることは、犬の生活の質、しいては飼い主との関係を向上させる。
今後も精進してまいります。
DOGGY BRO IPPEI